スペルミスから始まった、魔法のような醸造の物語

MAHOWBREW

ブルワリー沖縄県那覇市壺屋2丁目4−3

沖縄・那覇市壺屋。やちむん(焼き物)の里として知られるこの通りに、ひとつのブルワリーがあります。挑戦と遊び心を詰め込んだビールが、訪れる人を魔法のような時間へと誘います。

スペルミスから始まった、魔法のような醸造の物語

サンドイッチ店から生まれたブルワリー

MAHOWBREW様の物語は、ビールづくりではなく一軒のサンドイッチ店から始まりました。代表の面川達郎氏は、大学卒業後に沖縄へ移住し、旅先で出会ったクラフトビールの奥深さに魅了されたといいます。「大きな企業でなくても、小さな醸造所からビールを届けられる」という発見が、その後の歩みを方向づけました。とはいえ、志を抱いた当時は感染症が広がる時期。まずは沖縄でサンドイッチ店「Witch's」を開き、並行して県内のブルワリーで半年ほど経験を積みました。そこで出会ったのが、現在ヘッドブルワーを務める栁漠氏です。意気投合したふたりは「自分たちの手で理想のブルワリーをつくろう」と決意し、そこから約2年の準備期間を経ることになります。

タンクや充填機といった設備の輸入から、税関・検疫の手続き、店舗の改装や配管工事まで、そのすべてをふたりの手で進めたといいます。時間はかかったものの、ひとつひとつの工程に想いを込められたことが、今の礎になっているそうです。2024年6月に酒類製造免許を取得し、同年8月には自社醸造所から最初の一杯をリリース。わずか2か月で7種類ものビールを醸造し、盛大なリリースパーティーで披露されました。

自由な発想を、ひとつひとつのビールに

MAHOWBREWがもっとも大切にしているのは、「やりたいことを純粋に形にすること」だといいます。市場の流行やコストばかりを追うのではなく、自分たちが本当に面白いと思えるビールをつくることを何よりも優先する姿勢が貫かれています。

その言葉どおり、ホップの効いたIPAからフルーツビール、ラガーまで幅広いスタイルを手がけ、使用する酵母の種類も豊富です。レシピを担う栁氏は、常に他の醸造所の研究を怠らず、新たな発見を重ね続けているとのこと。その探究心と情熱は、面川氏も深く敬意を寄せるところだそうです。

ブルワリー名の由来も印象的です。サンドイッチ店「Witch's(魔女)」から着想を得て、「MAHOW(魔法)」と名付けられました。「魔法のような、自由で楽しいビールをつくりたい」という願いが込められており、その精神は今もブランドの核として息づいています。ビールの名前もメタルや神話の世界観から生まれることが多く、缶ラベルの原画は沖縄の革職人が手がけるなど、細部にまでこだわりが行き届いています。タップルームのカウンター越しには醸造タンクが見え、訪れる人同士が自然と打ち解ける温かな空気も、この場所ならではの魅力といえるでしょう。

スペルミスから始まった、魔法のような醸造の物語

土地の恵みを閉じ込めた、個性豊かな一杯

MAHOWBREWを代表する一杯として知られているのが「Ophelia(オフィーリア)」です。名護市産のシークワーサー果汁と屋我地島産の海塩、パッションフルーツやマンゴーのピューレを贅沢に使用したImperial Goseで、爽やかな酸味を南国果実の甘い香りが包み込みます。アルコール度数は7.5%ながら、まるでトロピカルジュースのような軽やかな飲み口が魅力です。

沖縄の塩とコリアンダー、乳酸菌発酵を組み合わせたゴーゼシリーズも見逃せません。マンゴーやライチ、スイカ、島唐辛子、カラキ(沖縄のシナモン)など、地元の恵みを一つ以上必ず取り入れているのが特徴です。ほかにも、名護市の紅茶「べにふうき」を使ったアイリッシュレッドエールや、フレッシュホップを重ねた10%のトリプルIPAなど、スタイルの垣根を越えた個性豊かなラインナップが揃っています。

流行に流されず、自分たちが本当に面白いと信じるビールをつくり続ける――その姿勢が、一本一本にしっかりと表れています。ぜひ一杯、その個性豊かな味わいを確かめてみてください。

ご協力いただいたブルワリー

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    沖縄県那覇市壺屋2丁目4−3

    沖縄・那覇市壺屋。やちむん(焼き物)の里として知られるこの通りに、ひとつのブルワリーがあります。挑戦と遊び心を詰め込んだビールが、訪れる人を魔法のような時間へと誘います。